5月4日、コロナ禍で参加人数を制限するようになって3回目の大回向の日を迎えました。今年は地域の世話人さん方約40名にお集まり頂き御供養を行いました。緊急事態宣言の出ていた2020年は花園会長お一人だけにご参加頂いて執り行ったことを思えば大きな進歩ですが、皆で集まり賑やかだった以前の大回向が懐かしく思い出されます。
おやっと思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、写真は2014年の大回向の様子です。数百人もの方々が本堂に集い(もちろんマスクはなしで)お勤めをしたこと、その後の直会(なおらい)やお抹茶席など今となっては遠い世界のことのようですが、近いうちにまたあのような日々が戻り、皆様とご一緒できることを心待ちに致しております。
当時は鐘楼脇の紅葉も青々としていました。今はかなり枯れ気味…
*大回向(おえこう)とは
江戸時代に度重なる飢饉で不慮の死を遂げた人々を弔うために旧仙台城下の願行寺、常念寺、清浄光院において行われた、旧仙台藩特有の宗教行事。この3ヶ寺は「大回向寺」と呼ばれ、1年ごとの交代制で死者のお弔いと困窮者への炊き出し等を行っていました。3年1回りすると通常の回向(仏事供養)がさらに大きな功徳となると考えて大回向、それがなまって「おえこう・おいご」と呼ばれるようになったそうです。
大回向の時期には多賀城近隣の住民も仙台の「おえこう寺」にお参りをしていたそうですが、昭和7年頃、仙台への往来が辛いという西園寺檀信徒の訴えから、当時の徽外(きがい)和尚が当地でもおえこうを営んだのが西園寺の大回向の始まりです。今では戦争や東日本大震災等で亡くなった方々のお弔いをしたり、数年前からはお抹茶席を設けるなど、少しずつ形を変えながら、現在まで90年続いています。今後この大回向をどう継承していくかは大きな課題ですが、先人たちが残した伝統を大切にしつつ、今の時代に合った形で残していければと願っています。
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