ここ数年、お彼岸のお中日に当たる秋分の日に催してきた秋季法要ですが、
今年は諸事情により9月21日(木)に開催致しました。
一般的に秋季法要という呼び名で通っていますが、
西園寺で昔から行われてきた観音さまとお地蔵さまのおまつりでもあります。
当日は水子や萬霊塔埋葬者の方々のご供養を行うと共に、
境内の観音さま・お地蔵さまを巡ってお参りをする習わしとなっています。
お地蔵さま達は檀家や地域の方々が縫って下さる
新しい頭巾を被ってその日を迎えられます。
今年の頭巾の中には、長年頭巾を届けて下さっていた方が
「これで最後です」と言って持って来られたものもあり、
これまでのご奉仕を思うと胸に迫るものがございました。
皆さまの善意でお寺は支えられているのだと改めて感じた瞬間でもありました。
境内には様々なお地蔵さま、観音さまがおられますが、
その中でも道安地蔵尊や船塚観音さまについては
また別の機会にブログでご紹介したいと思います。
また、法要後には福島市永京寺のご住職で高等布教師の
大野泰明師によるご法話がありました。
演題はずばり「禅とは」。
とかく難解とされがちな禅宗ですが、
誰もが生まれつき持つ仏の心=「仏心(ぶっしん)」に気づくことを旨とするため
「仏心宗(ぶっしんしゅう)」とも呼ばれます。
その解釈はその人自身に委ねられるというのも禅の特徴ですが、
物理を学んだ理系の和尚様ならではの
「禅は人生の方程式である」という解釈が非常に面白く、
引き込まれるご法話でした。
禅とは生き方・心のあり方であり、人によって千差万別。
何が正しいかという答えは決して一つではなく、
その答えを導き出す「方程式」(=生き方・心のあり方)も無数にあります。
人生に「正解」(=こうあるべきという理想)はないのに、
自ら正解を作り出し思い悩むのが人間であり、
正解ではなく自分なりの「答え」(=現状・ありのままの自分)を見つけ、
今の自分を受け入れることこそが禅の目指すところ。
自らの心が作り出した理想というこだわりが消える瞬間を
禅では「安心(あんじん)」と呼びます。
ありのままの自分を受け入れるのはとても難しいことではありますが、
人の生き方に正解はないからそのままでいい、
と言われると気持ちが楽になりませんか。
今回のご法話では禅を身近に感じ、
自分の心のあり方を見つめ直すヒントを頂けたような気がします。
境内を巡拝中に小雨が降る場面もありましたが、
おかげさまで今年の法要も無事円成と相成りました。
ご協力・ご参列頂きました皆様に心より御礼申し上げます。
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